「光悦色紙軸その４（江戸時代）」です。
古美術の専門誌『古美術２０号』昭和４２年、三彩社刊に
古筆鑑定家（東京国立博物館勤務）の堀江知彦が紹介した、
近衛家に伝わった光悦色紙帖から離れた一枚です。
注：この色紙は、同誌には載っていません。

箱書きは書跡鑑定家の田山方南（国立博物館文化財調査保護委員）、
蓋表に『光悦色紙　金泥下絵云々』
裏に『陽明家傳来　昭和四十四年正月　田山方南題　印』とあります。
表装は京都の老舗表具師春芳堂、太巻き、二重箱に収まります。
状態は非常に良く、昭和期に新たに発見された帖から
外された色紙を表装した一点と推測できます。

カラーコピーですが、田山方南の手紙（添え状）があり、
それによれば、本来は題を含め７２枚の色紙があったことが判ります。
また、田山方南は添え状の中で、光悦晩年の作と認めています。

堀河関白　ふみなどつかはして　さとはいつこそととい侍りけれは
本院侍従
我宿はそこともなにかをしふへき　いはてこそみめたつねけりやと
かへし　忠義公
我思ひそらのけふりとなりぬれは　雲居なからも猶尋ねてむ

『古美術２０号』に載る解説ページと田山方南添え状のコピーをお付けします。

「本紙（紙本・肉筆）」縦×横：約２１．５×１９センチ／軸（軸端含まず）縦×横：約１４６×３９．５センチ

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