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商品説明 | ベートーヴェン・ボックス(34CD) イタリアSONYの注目企画 SONY、RCA、ARETE NOVAの音源を使用してつくられたお買得なベートーヴェン・ボックス。枚数は34枚で、交響曲全曲と協奏曲全曲、ヴァイオリン・ソナタ全曲、弦楽四重奏曲全曲、ピアノ・ソナタ26曲にピアノ三重奏曲2曲、序曲5曲、ロマンス2曲、七重奏曲、荘厳ミサ、フィデリオという構成になっています。 【注目のルービンシュタインほか】 まず注目されるのは、ルービンシュタインによる協奏曲全集。まとまった形では142枚組のルービンシュタイン大全集でしか聴けなかったものです。 ズッカーマンによるヴァイオリン・ソナタ全集も、充実した演奏内容ながら目下廃盤で入手できない状態であり、ジンマンの三重協奏曲も同じく入手困難ということで、これらの復活は歓迎されるところです。 ブッフビンダーのピアノ・ソナタが、最初期の6曲を除いて26曲収録というのは少し残念ではありますが、2011年に録音が完成した新しいものなので仕方ないのかも知れません。 その他、流通が不安定なバーンスタインの交響曲全集と、ブダペスト四重奏団の弦楽四重奏曲全集が収められているのも朗報といえるかも知れません。 【概略】 ・交響曲全曲/バーンスタイン&ニューヨーク・フィル ・序曲5曲/バーンスタイン&ニューヨーク・フィル ・ピアノ協奏曲全曲/ルービンシュタイン、バレンボイム ・ヴァイオリン協奏曲/スターン(2種) ・ロマンス2曲/スターン、小澤 ・七重奏曲/シャハム、トーンハレ管首席奏者 ・三重協奏曲/ジンマン、シャハム、ブロンフマン、モルク ・弦楽四重奏曲全曲/ブダペスト四重奏団 ・ピアノ三重奏曲2曲/インマゼール、ビルスマ、ベス ・ヴァイオリン・ソナタ全曲/ズッカーマン、ナイクルグ ・ピアノ・ソナタ26曲/ブッフビンダー ・荘厳ミサ/ジンマン&トーンハレ管 ・フィデリオ/マズア&ゲヴァントハウス管 【収録情報】 -------------------------------------------------------------------------------- 交響曲全集、序曲集、他 バースンタイン&ニューヨーク・フィル バーンスタイン若き日の豪快な演奏。少々の乱れなど気にせず突き進むエネルギッシュなアプローチは作品のイメージにもぴったり。交響曲のほか、序曲も5曲収録しているほか、アイザック・スターン全盛期の艶やかで張りのあるソロが聴きもののヴァイオリン協奏曲も収録。 Disc1 ベートーヴェン: ・交響曲第1番ハ長調Op.21 ・交響曲第3番変ホ長調Op.55『英雄』 Disc2 ・交響曲第2番ニ長調Op.36 ・交響曲第7番イ長調Op.92 Disc3 ・交響曲第4番変ロ長調Op.60 ・交響曲第5番ハ短調Op.67『運命』 ・『エグモント』序曲Op.84 Disc4 ・交響曲第6番ヘ長調Op.68『田園』 ・交響曲第8番ヘ長調Op.93 ・『シュテファン王』序曲Op.117 Disc5 ・交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱付き』 ・『フィデリオ』序曲Op.72b Disc6 ・ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61 ・『献堂式序曲Op.124 ・『レオノーレ』序曲第3番Op.72a アイザック・スターン(ヴァイオリン) ニューヨーク・フィルハーモニック レナード・バーンスタイン(指揮) 録音時期:1961~1964年(交響曲)、1959年(ヴァイオリン協奏曲)、1960~1970年(序曲) 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- ピアノ協奏曲全集、他 ルービンシュタイン、バレンボイム&ロンドン・フィル ルービンシュタインが晩年にバレンボイムのサポートで録音したピアノ協奏曲全集は、雄大なスケールの名演揃い。バレンボイムはこの録音の8年前にクレンペラーの指揮により、ピアニストとして全曲を録音していましたが、そのときの経験が生きたのでしょうか、ここでのバレンボイムの指揮ぶりは、泰然とした中にもルービンシュタインのソロがいっそう映える精妙さの息づく素晴らしいものとなっています。 それにしても、当時88歳のルービンシュタインの演奏は見事なもので、特に『皇帝』では、遅めのテンポで堂々と歩を進める壮健さと、緩徐楽章での気品に満ちた表現が、感銘深い聴きものとなっています。 Disc7 ・ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15 ・ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19 Disc8 ・ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37 ・ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58 Disc9 ・ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』 ・ピアノ・ソナタ第18番ホ長調 Op.31-3 アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ) ロンドン・フィルハーモニック ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音時期:1975年(協奏曲)、1976年(ソナタ) 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- ヴァイオリン協奏曲、ロマンス スターン、バレンボイム&ロンドン・フィル ヴァイオリン協奏曲は、スターン16年ぶりとなる再録音。ここでのスターンのソロは、バレンボイムの落ち着いたサポートを得て、伸びやかな中にもディテールを入念に彫琢した巨匠芸の聴かれるものとなっています。なお、バレンボイムは、ピアニストとしてこのヴァイオリン協奏曲の編曲ヴァージョンを1973年に録音していました。 組み合わせは同じくスターンの演奏でベートーヴェンの小品「ロマンス」を2曲。こちらは作品にふさわしい抒情的で艶やかなソロの聴ける仕上がりで、バックの小澤征爾指揮ボストン交響楽団による繊細な伴奏が、ソロの美しさをセンス良く引き立てています。 Disc10 ・ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61 アイザック・スターン(ヴァイオリン) ニューヨーク・フィルハーモニック ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音時期:1975年 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) ・ロマンス ト長調 Op.40 ・ロマンス ヘ長調 Op.50 アイザック・スターン(ヴァイオリン) ボストン交響楽団 小澤征爾(指揮) 録音時期:1980年 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- 三重協奏曲、七重奏曲 シャハム、モルク、ブロンフマン、ジンマン ベートーヴェンの交響曲では気合いの入った演奏を聴かせていたジンマンですが、ここでは三重協奏曲の大らかな曲調を、とてもリラックスした雰囲気で再現、ギル・シャハム、トルルス・モルク、イェフィム・ブロンフマンという三人の名手とオケの関係をより近いものとして室内楽のように親密な演奏を実現しています。 組み合わせは、ベートーヴェン若き日の室内楽作品である七重奏曲。ギル・シャハムとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席奏者たちによるこれもたいへん心地良い仕上がりの演奏です。 Disc11 ・ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56 イェフィム・ブロンフマン(ピアノ) ギル・シャハム(ヴァイオリン) トルルス・モルク(チェロ) チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 デイヴィッド・ジンマン(指揮) ・ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調 Op.20 ギル・シャハム(ヴァイオリン) トルルス・モルク(チェロ) ミヒャエル・ライド(クラリネット) フローレンス・ジェニー(ファゴット) ヤーコプ・ヘフティ(ホルン) ミヒャエル・ロウイリー(ヴィオラ) ロナルド・ダンゲル(コントラバス) 録音時期:2004年 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- ヴァイオリン・ソナタ全集 ズッカーマン、ナイクルグ 隠れた名盤としてあげられることも多いズッカーマンによるベートーヴェンのソナタ全集。十分に弾きこまれているにもかかわらず、そこにのめり込んでしまわない、非常にバランスのとれた秀演で、ナイクルグの絶妙なサポートも光ります。 Disc12 ・ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1 ・ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2 ・ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3 Disc13 ・ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23 ・ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24『春』 Disc14 ・ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調 Op.30-1 ・ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op.30-2 ・ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30-3 Disc15 ・ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47『クロイツェル』 ・ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96 ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン) マルク・ナイクルグ(ピアノ) 録音時期:1990~1991年 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- ピアノ三重奏曲第7番『大公』、第5番『幽霊』 インマゼール、ビルスマ&ベス 「チェロ・ソナタ全集」で優れた演奏を聴かせたビルスマ&インマゼールによるベートーヴェン録音第2弾。好評を博したシューベルトの『ます』や、ピアノ三重奏曲集と同様、ビルスマ夫人でもあるヴェラ・ベスをヴァイオリニストとして迎え、ベートーヴェンの有名なピアノ三重奏曲2曲を収録しています。 ピアノ三重奏曲というとピアノの比重が大きくなりがちですが、ここでは音量面でバランスをとりやすいフォルテピアノを使用していることもあり、3つのパートがバランス良く互いの存在を尊重しあうかのように響きあっているのが印象的です。なお、ヴァイオリンは1727年製ストラディヴァリウス、チェロが1835年プレッレンダ、フォルテピアノは19世紀初頭のトレンドリン・モデルを使用しています。 Disc16 ・ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調 Op.97『大公』 ・ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 Op.70-1『幽霊』 ラルキブデッリ ヴェラ・ベス(ヴァイオリン) アンナー・ビルスマ(チェロ) ジョス・ファン・インマゼール(フォルテピアノ) 録音時期:1999年 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- 弦楽四重奏曲全集 ブダペスト弦楽四重奏団 ブダペスト四重奏団はハンガリーで創立された弦楽四重奏団で、1917年に第1回演奏会を開き、以降メンバー交代もありながら50年ほど活動を続けた名門四重奏団。この録音当時は、第2代目のリーダー、ロイスマンのもとで演奏しており、まっすぐな輝きに満ちたアンサンブルの団体として、世界的に名声を得ていました。 ブダペスト弦楽四重奏団による2度のベートーヴェン全集は、新旧共にその価値は高いのですが、このステレオ録音では、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のひとつの究極の姿が提示されていると絶賛されていました。ベートーヴェン作品の構造を堅固に示しながらも、楽想の受け渡しは肩肘張ることなくおこなわれ、息の合った奏者同士ならでは自然体のベートーヴェンの姿が築き上げられています。 【収録情報】 Disc17 ・弦楽四重奏曲第1番ヘ長調 Op.18-1 ・弦楽四重奏曲第2番ト長調 Op.18-2 ・弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op.18-3 Disc18 ・弦楽四重奏曲第4番ハ短調 Op.18-4 ・弦楽四重奏曲第5番イ長調 Op.18-5 ・弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 Op.18-6 Disc19 ・弦楽四重奏曲第7番ヘ長調 Op.59-1『ラズモフスキー第1番』 ・弦楽四重奏曲第8番ト長調 Op.59-2『ラズモフスキー第2番』 Disc20 ・弦楽四重奏曲第9番ホ短調 Op.59-3『ラズモフスキー第3番』 ・弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.74『ハープ』 Disc21 ・弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 Op.95『セリオーソ』 ・弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 Op.127 Disc22 ・弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 Op.130 ・大フーガ変ロ長調 Op.133 Disc23 ・弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131 Disc24 ・弦楽四重奏曲第15番イ短調 Op.132 ・弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 Op.135 ブダペスト弦楽四重奏団 ヨーゼフ・ロイスマン(第1ヴァイオリン) アレクサンダー・シュナイダー(第2ヴァイオリン) ボリス・クロイト(ヴィオラ) ミーシャ・シュナイダー(チェロ) 録音時期:1958年~1961年 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集(26曲) ルドルフ・ブッフビンダー 近年、評価・人気共に上昇中のウィーンのピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダー(ブフビンダー、ブーフビンダーとも)による、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集から第1番から第6番を除く26曲を収録。 ブッフビンダーは早熟の天才で、ウィーン音楽院で5歳の時から学び、10歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲を演奏してコンサート・デビュー、翌年にはウィーン・トリオを結成して室内楽にも進出、15歳の年にはミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、20歳の時にはヴァン・クライバーン・コンクールで特別賞を受賞、21歳ではベートーヴェン・コンクールで優勝するなど輝かしいキャリアの持ち主でもあります。 ブッフビンダーのレパートリーは、古典派から現代ものまで幅広く、ウィーンのピアノの伝統を大切にする一方で、常に進歩的で多様な考え方のできるピアニストとして、現在ヨーロッパで高い評価を受けてもいます。 ブッフビンダーは1980年から1982年にかけて、テルデック・レーベルにベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集をセッション・レコーディングしていたので、これが2度目の録音ということになります。その旧全集には、30代なかばのブッフビンダーの個性が強く刻み込まれており、マニア中心に高い評価を得ていました。 今回は、それから約30年間でのブッフビンダーの多様な経験の蓄積による解釈の深化が、作品演奏にどういった影響を及ぼしているのか気になるところですし、さらに、音楽の勢いや高揚をダイレクトに感じることのできるライヴ録音という点も注目されるところです。特に、ベートーヴェン時代の表現様式については深い関心を持っていたようで、実際にシュタインなどのフォルテピアノを所有して楽器の研究に熱心に取り組み、時代の流れの中で変わっていたものに配慮しながら現代ピアノでの演奏に多様な要素を取り込んでいったようです。 ブッフビンダーは今回の録音について以下のように語っています。 「ベートーヴェンのソナタには18以上の印刷譜が存在していますが、自筆譜は意外と残っていません。リストは最高のピアニスト&作曲家であり、ベートーヴェンを崇拝してその楽譜を校訂しましたが、彼なりの楽譜への大がかりな書き込みによって、フィンガリングなどベートーヴェンの多くのものが失われてしまいました。これが現代通常に演奏される楽譜の元になっているのです。私はできる限りそれ以前にロールバックし、歴史的楽器の仕組みを探求し、現代ピアノ演奏解釈に取り入れました。」 Disc25 ・ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3 ・ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13『悲愴』 ・ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1 ・ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2 Disc26 ・ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22 ・ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26『葬送』 ・ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1 ・ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』 Disc27 ・ピアノ・ソナタ第15番ニ長調 Op.28『田園』 ・ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1 ・ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』 Disc28 ・ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3 ・ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1 ・ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2 ・ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』 ・ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54 Disc29 ・ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』 ・ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調 Op.78『テレーゼ』 ・ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79 ・ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a『告別』 ・ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90 Disc30 ・ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101 ・ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106『ハンマークラヴィーア』 Disc31 ・ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109 ・ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110 ・ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111 ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ) 録音時期:2010年9月~2011年3月 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ) -------------------------------------------------------------------------------- 荘厳ミサ(ミサ・ソレムニス) ジンマン&トーンハレ管弦楽団 話題になった交響曲全集に続く録音。荘厳ミサでもピリオド演奏を志向している点では、交響曲のときと基本方針は同じ。2000年に刊行されたノルベルト・ゲルチュ校訂によるヘンレ版を使用し、手兵のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団に、シュヴァイツァー室内合唱団、オルゴナソヴァ(S)、ラーション(Ms)、トロスト(T)、ゼーリヒ(Bs)を率いて時代感覚あふれる演奏を聴かせてくれます。 70名のモダン楽器オケと、86名の合唱団を用いた中規模編成の演奏で、ナチュラル・トランペットや、ケトル・ドラム、コントラファゴットの使用なども目を引きます。 モダン楽器オケに、ピリオド・アプローチを導入、ハイブリッドな古典派サウンドを創造するジンマンのいつもの手法ですが、響きやフレージングのほかにも、たとえば通常の演奏とは大きく異なる快速なテンポ設定も注目されるポイントです。 吹き抜けるように爽快な「グローリア」は特に快適で、ケトル・ドラムのクレッシェンドに導かれるトラック7など小気味良いフーガがたまりません。 「クレード」は複雑で魅力的な音楽ですが、ジンマンのアプローチは情報量を維持しながら立体的に音楽を構築してゆこうというもので、切れ味鋭い表現が実に面白く、耽美的表現の拠り所となりやすい有名なフルート・ソロ(トラック10)もここでは推進力に富み、ミサソレ中心部にふさわしい活力を感じさせてくれます。 「サンクトゥス」では低弦のフレージングが立体感たっぷりなほか、よく合唱に置き換えられる“Pleni sunt coeli”もきちんと重唱ヴァージョンで演奏されているのが嬉しいところ。重唱だと、続く天上的な「ベネディクトゥス」がより引き立つ感じです。ちなみにこの「ベネディクトゥス」でのジンマンの統率ぶりは素晴らしく、音価は短めでも楽器のバランス調整とアーティキュレーションの操作によって、得がたい美感が醸成されることの見事な証明ともなっています。低弦とオルガンの絡みをベースに、透明度高い声楽サウンドと、つややかで美麗なヴァイオリン独奏が非常に美しい音楽を聴かせています。 続く「アニュス・デイ」での戦いの音楽も、ジンマンならではの切れ味の良い音楽づくりが効果的。“進軍”のイメージがよく再現されているのは、ティンパニの弾力的で軽快なサウンドの恩恵でもあります。 Disc32 ・ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123 リューバ・オルゴナソヴァ(ソプラノ) アンナ・ラーション(アルト) ライナー・トロスト(テノール) フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(バリトン) スイス室内合唱団 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 デヴィッド・ジンマン(指揮) 録音時期:2000年 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) -------------------------------------------------------------------------------- 歌劇『フィデリオ』全曲 マズア&ゲヴァントハウス管弦楽団 ゲヴァントハウス管弦楽団のしぶく美しいサウンドをバックに、アルトマイヤー、イェルザレム、ニムスゲルン、アダムという名歌手たちが充実した歌唱を展開する『フィデリオ』。マズアの指揮はシリアスで力強く、ライプツィヒ放送合唱団とベルリン放送男声合唱団によるコーラスも壮大で迫力十分な仕上がりです。 Disc33~34 ・歌劇『フィデリオ』全曲 ジャニーヌ・アルトマイヤー ジークフリート・イェルザレム ジークムント・ニムスゲルン テオ・アダム ペーター・メーフェン、他 ライプツィヒ放送合唱団、ベルリン放送男声合唱団 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管絃楽団 クルト・マズア(指揮) 録音時期:1980~1981年 録音方式:デジタル(セッション) |
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